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こみねもすなるだいありー

全然何にも怖くない

過去は未来に繋がっていると、当たり前のことを実感する NEWS / QUARTETTO

去年の夏、東京ドームでNEWSを見た。
特別突飛なことをしたコンサートだったという印象はなかったけれど、丁寧に丁寧に美しい、思い出に残る時間だったように思う。月や桜を、過剰に飾り立てず歌うことのできるアイドル歌手が、どれくらいいるのだろう。その中の一組がNEWSだ。自分が過去見た美しい思い出を、そっと奥から引っ張り出してくれる。そういえば、こんなに美しい過去に囲まれて生きているんだな、と振り向かせてくれる。

QUARTETTOは、そういう「美しい思い出」をぎゅっとまとめたようなアルバムだった。

はじめて好きな歌を手に入れたときのドキドキや、じっとしていられずに走り出した夜のことを思い出した。人を好きになって、どうしようと困惑したときのことや、頑張ろうと決意したときのことを思い出した。なぜこんなに切なくなるのかわからないけれど、4人の一本にまとまった声を聞いていると、頑張る力のなかった頃の自分を思い出す。でもそれを責められている気持ちには、全くならない。あのときのあなたがいて、今のあなたがいるんだよ、と、認められているような気持ちになる。

アルバム本編の最後に据えられた「ヒカリノシズク」が、シングルリリース時から好きだ。流星の尾のように、消せない過去をしゅるしゅるたなびかせながら近づいてくる星が、手の中に収まる。「光を灯せたらいいのにな」と、誰もが思っている。過去に後悔して、悲しんで、立ち止まったとき、夢や未来を信じたい。強く信じたい。自分ひとりでは信じられない夜、「僕らは信じよう」と寄り添ってくれる存在に、きっと誰かが救われている。自分の好きな人が、大事な人が信じている夢なら、きっと信じてみたいと思える。

私が見た美しいものは、いつも過去にある。その中の一つに、NEWSの4人があるのかなぁとも思う。
あの蒸し暑い夏見た大きなステージで、過去から続いた場所で、幸福そうに歌う姿が、きっと誰もが信じたい何かなんだろう。胸に焼き付いているその過去に、ちゃんと信じるべき未来が存在している。

QUARTETTO【通常盤】

QUARTETTO【通常盤】