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こみねもすなるだいありー

全然何にも怖くない

短歌 #2015夏


花の名前覚える暇はないようでたゆまぬ夏の元も子もなさ

十枚の銀貨が金貨一枚にかえられてゆく 私は世界

これは汗、グレーのシャツについたしみ、男の人はないちゃいけない

抗鬱剤売って花見のまちをゆくアサヒスーパードライは甘え

大・中・小えらべることに慣れすぎて好きでも好きと言うほかできない

からっぽの電車引きずる何千人何万人の恋愛工学者(らぶ・えんじにあ)


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つま先の熱かんじてもかんじても夜見る夢にぼくが出てない

サヨウナラ左様ならいつかまた会える造花のアネモネ抱いてお帰り

そういえば、わたし1人で死にたい、と、おれに独り言言っていたよね。

髪にからむ光ぷちぷちと死んでゆく 明日は幸いくもりのち晴れ

カシミヤの夜よつめたい呼吸器よ、ぼくたちのこと、希望とよぶな


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負けないでもう少し最後まで走りぬけてもなにも見えない的な

自分より弱いいのちを分けるたび正しいことに自信がなくなる

美しい砂漠の記憶 ゆるされていなくてもいい もうそれでいい

もとめてはもとめられては季節ばかりめぐる晩夏うまれのさだめ

背中まであの日の光の粒子だけでいっぱいになる。よかった、朝で。


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真新しい綿の寝巻きに手をとおし何万人のエゴとねむろう

美しくない花という矛盾抱き夜もなく昼もなく愛します

洗ったらきれいになるのほんとうに手の中にあるくしゃくしゃの熱

イミテーションなのわかってる 灰かぶり脱するまでは靴も履かない

昔つけたばかな傷あと抱いている 銀色の星 金色の月


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未来には無数のかたちがあり、それを教えたひとのように生きたい

光るのは誰かが息している証拠 ひとひとりぶんぼくはかがやく

きみの背に貼り付いている季節には名前も歳も書いてなかった

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