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こみねもすなるだいありー

全然何にも怖くない

じぶんのことをすきになりたい ●芦屋こみねの短歌まとめ●

 

がんばって詠みました。去年夏~最近までくらいかな。
まとめてみました。みてくださると、嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

武装するものを探してしろじろと光の痛いドラッグストア

 

汚れてもきよらかだろうあの人の中で育った過去があるなら

 

きみは今日何人の人を振り向かせ何人の人を殺したんだろう

 

永遠は信じてないけど永遠に届かない祈りだけは信じる

 

背の高い彼女の肩にもたれたら姉妹に見えないこともなかった

 

にせものになっても変わらず光るからあー死んじゃえってすっごい思う

 

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夜明け待つ真綿ころがるみたく手をぬらしてわたし待つわたし待つ

 

輪切りレモン頬にはりつけもはや季節など我々に通用しない

 

かみつれの香り小銭の音どこへ行っても何をみても恋しい

 

目をそらすことにかけては人生を狂わすほどにじょうずなわたし

 

憎しみでごはんは食べられないけれど憎しみがなきゃ生きていけない

 

戦って負けたわたしのことを考える 死にたくなるの一日おきに

 

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暗い海をゆこうしんしん冷え切った海を泳いでゆこうひとりで

 

無事恋は去って嵐も去りました 声がなければ思い出せない

 

値踏みする音を延々たてながら洗う小豆に母の顔を見る

 

許してね、許さないでね、花占いしながらおおきな銃を背負って

 

吸血鬼の伝記は手提げをおもくして誰かのせいでアネモネの散る

 

鼻あての跡にはちいさな花畑 疲れた時にはわたし呼んでよ

 

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宛先がわからないから出せなくてくしゃくしゃになった手紙いります?

 

うなじから入り込む風生きている喜びとかはなくても生きる

 

一月のカレンダーにもきみがいるだけでどこにも行かずにすんだ

 

アポロ飛ぶ未来と過去は交差して恋と絶望を酸素に変える

 

ほんとうはあなたに聞いてほしかった 軽やかに死ぬ春の花たち

 

すんなりと削られてとける鉱石で夏にうまれた彼女を造る

 

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くちびるは粘膜だもの ざくろ食(は)み時計をみないままにふたりは

 

最愛の敵(かたき)を討てと通達を受けながらするシックス・ナイン

 

はじめから雪は降るってわかってた車椅子のしずかに軋む音

 

ヘッドフォンの白いコードにつながれて南へと飛ぶ傷心旅行

 

食べられる花を数えて信号を待つよアオヤマフラワーショップ

 

最上の変人だって言ってくれたからここまで死ねずにすんだ

 

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狩られないという現代の居眠りを覚ましたくて妊婦を蹴りました

 

直径が2センチくらいの「みんなしねばいいのに」がいつも心臓にある

 

逃げてないし走ってるだけわたしには見えてるものがひとに見えない

 

知らない町に帰っていくの知ってるよその町になんか海があるのも

 

一体どこまでピアスの穴があいてるのか見せてね晴れて彼女になれたら

 

ふたを開けてみれば宇宙がよくできた入れ子型構造だったなんて

 

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街灯に追い詰められて泣きながら帰る みんながこわい

 

関節にはめる指輪があるらしくぽつぽつとその話をしてた

 

前世はその地球儀だった指先で回されてここは恋のアラスカ

 

衛星の孤独をじっと見つめてる年越しそばのたまごの黄身は

 

ドアノブをアルコール除菌する少女にも否応無しに迫る夕暮れ

 

思い出したらこわくなることに埋もれても、大丈夫だよ、大丈夫だよ

 

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忘れないことは罪滅しじゃない 布団の中の足がつめたい

 

多分このあたりに詰まったプライドのとげとげしさをわたし知ってる

 

重なればうつむく一途なひかりとは程遠いほど生きていられる

 

一千年先まで平行移動するエスカレータのなかすれ違う

 

うしなってもいいですか。まもなく閉まる電車のとびらのそばにたたずむ

 

めをつむる(裏ごしされた殺意などたやすく味付けしてしまえるの)

 

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開け放つ背広のぼたんという窓にわたしはちいさなあかりを灯す

 

どこにもない世界のおきてにふれたこと謝らないよ生きてるうちは

 

まだ日焼けが戻らないまま数ヶ月ぶりのときめきライフハッキング

 

びしょびしょでいろんな液体まみれの胸ふりしぼりながら追いかけている

 

揺れながら落ちてのぼってゆけばいい今夜の月は見えなくていい

 

なぜ人を壊してしまったにんげんの部品は風を受けて鳴るのか

 

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後ろからばかりだくのねひどい人だね ふりむけば東京テレポート

 

御堂筋はぬるんだ水のにおいばかりするから忘れ物したくなる

 

死にかけのセイタカアワダチソウ どこへ行くのよそんな淡いさだめで

 

背骨ごと気持ちも折ってしまってよ なぜ人並みの絵も描けずに

 

ワット数足りない人をすきになる ガムシロップはふたつほしいな

 

くすりだけのんで胎児になるきみを守るのならば今しかなかった

 

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うつぶせでむかえる世界の終末にブラックサンダーひとつを投げる

 

実体のない泡沫の花束抱きしめている冬はさむいね

 

洗ってもちぢまないからこの夏はあのせつなさを何回も着た

 

追う髪の一本まだこの手の中にやわらかすぎるほんとのわたし

 

未完成だって言い合う人たちの群れであの人輝いていた

 

腰掛けただけのわたしにこんなにもいろんなものをくれたあなたへ

 

ひとりきりふるえてみなもをめざしてるじぶんのことをすきになりたい

 

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