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こみねもすなるだいありー

全然何にも怖くない

短歌結社「明星」第八回歌会 お題:「舞台」

短歌 短歌結社「明星」

 

みなさんこんにちは!芦屋こみねです。

最近夜な夜なアイドル曲で踊ってダイエットを試みています。

 

 

 

第八回歌会のお題は、みなさんの短歌のレベルアップを感じて、「ちょっと抽象的で幅の広いお題にしてみよう」と思い、「舞台」とさせていただきました。

コンサートも広義では「舞台」ですし、いろんなシチュエーション、情景を詠み込めるお題かなと思って、ひそかに楽しみにしていました。

 

 

期待通りの短歌をたくさんお寄せいただきましたので、さっそく見ていきたいと思います~。今回ご参加いただいたのはこちらの皆様。順不同です。

 

・原さん(

・猫さん(

・miimoさん(

・めたもんさん(

・榎田さん(

・あすなさん(

・3izukiさん(

・ゆうごさん(

・なつめさん(

 

 

 

 

 

 

 

ここだけは魔法をかけた坂の上過去も未来も宇宙も見せよう

「坂の上」がいいな~と思いました。舞台って特別な場所のように見えて、本当は少しの段差しかないただの「坂の上」なんですよね。そこで何かを演じる人たちがいるから、特別な場所たりうるというか。時間軸や世界線を越えた、「舞台」という場所の自由さが下の句に表れています。

醒めるまで夢のまた夢だと見せかける ここはあなたの思い出の坂

 

 

濃く赤い幕が上がれど君との間 透明な膜見える気がして

赤ベルベットの緞帳ってやっぱりいいですよね…!というよくわからない共感を覚えました。あれはやっぱり私たち観客と舞台とを隔てる何か意味めいたものであって、でもそれが上がって無くなったところで、私たちはその舞台上で繰り広げられる世界に干渉はできないのです。あくまで聴衆であり観衆でありただの目撃者にしかなれない私たちが、実は一番贅沢な人種なのかもしれないですね。

目撃者という人種になるための隔たりだから触れたりしない

 

 

そう、ここは、君と私の間には、どんな硝子も存在しない

さっきの短歌とは違って、舞台と観客を隔てるものが何もない、という状況に着目して詠まれた短歌。ブラウン管や紙面を隔てたところではなく、実体のある人間としての「君」を実感できるのは、やはり舞台ならではですよね。触れらないとしても、手を伸ばせば届いて、感触もわかるという場所に「君」がいると思うと、なんだかぞくぞくしますよね~。

君を君にしている要素が雪のように舞って私のまつ毛に積もる

 

 

切り取った過去も未来もない夜を硝子の靴で踊って死ぬまで

前の短歌とは「硝子」つながり。「過去も未来もない」は、舞台において重要なファクターですよね。何もかもを超越する世界観。時間さえも捻じ曲げられる完全に支配された世界で、与えられた役柄を踊り続ける役者の姿がスポットライトに浮かぶよう。ただこの短歌だったら、「硝子の靴」じゃない何かのほうが、ぱきっと情景が焼きつく短歌になったのかもな…とも思います。個人的に「硝子の靴」に踊るイメージがないというか。踊るなら「赤い靴」なのかなって思ったので…。

誰かの物語のページを捲る手が履かせた赤い靴を脱げない

 

 

普段より分厚い仮面前は見ず 与えられただけマリオネットね

これも「(見えざる何かに)演じさせられている」というコンセプトの短歌なのかな。「普段より」分厚い仮面、ということは、普段から仮面はつけている、ということですよね。その仮面が、舞台に上ると分厚くなる、分厚いものに付け替える、仮面の上から仮面をつける。普段から仮面をつけている人間が、舞台上で与えられた仮面をその上からさらに付ける…というイメージが浮かびました。ダークでかっこいいね。「変面」みたいだね。

投げられた視線が痛い ひび割れが生まれてもこの仮面は脱がない

 

 

見知らぬ彼の命の色に君の面影を探すのを許して

これなんとなく、「彼」=「君」が演じている役柄、「君」=「彼」を演じる役者、という構図が思い浮かびました。「彼」のセリフや生き方に、それを演じる「君」の面影や生き方を重ね合わせる観衆、ファンっていう。それを後ろめたいことと感じている(「許して」)ところもあるのですよね。やっぱり舞台を楽しむうえで、役者 と役柄のシンクロを見るのは、定番なのかな~という気持ちもあります。

会ったことありますか、どこか遠い国、遠い時間に巻き込まれたとき。

 

 

暗がりの一等星、コマ送りで一秒を愛した。

「暗がりの一等星」は、舞台上でひときわ輝く姿、ってことかな。スポットライトを浴びて、自分の魂に光を反射させる姿。私もなんとなくわかるのですが、舞台を見ていると、すごい一瞬の動作だったり、情景だったりがコマ送りで見えたり、後から思い出したりすることって多々ありますよね。下の句すごくよくわかるな~と思いました。

フイルムに焼き付けられて動かないままで一枚、一枚散って

 

 

これはそうわたしの玉座夢の中巨大な箱に喰われて笑う

「巨大な箱」は、いわゆる演じる「箱」としての舞台、という意味かな。舞台を「ハコ」というのはよくありますよね。会場という空間に閉じ込められて、小さな箱の中でおおよそこの世では受け止めきれない時間や思惑を繰り広げるというシチュエーションが、「巨大な箱に喰われて笑う」から想起されました。

真鍮の重たい冠投げ捨てる瞬間誰かの舌の上にいる

 

 

本当は呼べない下の名前だしいつもより今日は大胆になる

これどんな短歌なんだろう…と個人的に考えた結果、「舞台」が何らかの形で主人公に作用して、いつもは下の名前も呼べない人に対して、大胆な行動をさせている、ということなのかなぁ…という結果にたどり着きました。ここでの「舞台」ってなんだろう。なんとなくプロムみたいな、学生が特別にペアになって踊るダンスパーティ、みたいなのを思い浮かべます。

ドレスちっとも似合ってないね 口紅でよごれた君の白い手をとる

 

 

言葉だけか この煌めきは 刹那だろ 銀テープじゃなく 俺だけを見よ

この短歌は解説をつけて送ってくださったのですが、「銀テープがコンサートで放たれたとき、観客はみんな銀テープに夢中になるので、ステージを見てくれない」というちょっとしたあるあるネタ…みたいなものをもとに詠まれたそうです。銀テープはおうちに帰ってもキラキラしてますけど、ステージの上にいる人間の煌めきはきっとその時しか見られないものですよね。そう考えると「俺を見て」も妥当だなって思います。

合成のきらきらよりもぼくだけが成せるきらきら具合を見てくれ

 

 

笑ってよ、周回遅れの三方礼 探していたのはまだここに無い星

「周回遅れの三方礼」はキラーフレーズですねーいいなー!舞台に上るたび成長するけど、まだ望んでいる星には手が届かない、ってことなのかな。切ないけど希望を感じるいい短歌だと思います。笑われることに自覚的だけど、それから逃げないで頑張り続けられる力みたいなのを感じます。

後ろから追い抜かされて奈落からライト差し込む一瞬を見る

 

 

息づかい捕まえたくてここに来る 未来へ走る今を切り取る

舞台が思ったより近くて、息づかいまで聞こえてびっくりする、っていうのはよくある話ですよね。先ほどの短歌の観客目線って感じがします。成長の速度というか、今舞台の上の人間がどのあたりにいるのか、そういうのを確かめるための舞台、っていうのもあるのかな~と思います。

コンパスを持たずにここまで来た人を誰も導くことはできない

 

 

何回もめくった紙に残る線くたびれた靴(心は真逆)

舞台に上る人目線の短歌かな。何回もめくった紙は台本で、稽古に使うものは全部くたびれていくけれど、心だけはすこしずつ研ぎ澄まされて、どんどん純化されていく過程が詠まれてるというふうに感じました。心とほかの要素が反対に向かって離れていくような構図が素敵です。

もうすぐで違う誰かに重なった私が終わりの場所へ向かえる

 

 

つまらない顔した人に惚れるのだシルクハット飛び出した鳩

オールドタイプの舞台というか、「いわゆる」舞台、というかんじがします。ストレート。マジックショーでしょうかね。目の前のつまらなさそうな顔をした観客にこそ惚れて(惚れたような気持ちになって)、「あなたのために演じます」という気持ちで演じる、ということだと解釈しました。

ひとときの恋人のため繋がらないはずだった糸で金貨をつなぐ

 

 

燃え盛る命の真ん中狂い咲くダリア 欺いて永遠に

情熱的!色を表す言葉を使ってないけど、この一首が真っ赤なのがすごいよくわかります。舞台上の色調ってすごく心に残るし、それを演じることで浮かび上がる演者の命の炎と重ね合わせたところがいいな~と思います。

一色でいいの、返して、モノクロの廃墟で交わる焼けた花たち

 

 

駆け抜けて青春、僕がいた証拠、噛んだ唇、流した涙

これはなんとなく、学生演劇を彷彿とさせました。ちいさな舞台を自分たちだけで作り上げる熱というか。自分がいた証を舞台上に残そうと奮闘する姿が目に浮かびます。プロではないからこそ、浮き彫りになる熱さやがむしゃらさもありますよね。

呪縛みたい ここにいたって何十年あとの私に叫び続けて

 

 

筋肉と赤い爪よく似合ってたセクシーの意味蹴りあげた足

フラメンコとかの、筋肉質で強い女性ダンサーを想像しました。ドレスの裾から覗く脚は鍛えられてて、爪だけがライトの中で真っ赤に明るい。巷にあふれてるチープなセクシーさを全部蹴っ飛ばすようなパワフルな美、パワフルなセクシーさは衝撃ですよね~。私は女性を想像しましたが、主人公は男性でも素敵ですね。

弱くないから強いふりしなくてもおんなのままでひとりいられる

 

 

 

 

返歌をお付けしなかった短歌は以下になります!

 

・二時間の君に会うため何倍の時間かけても惜しくはないの

 

・冷たい雨が君を濡らしていく 手を伸ばせず息をしては輪廻

 

・わたしの心の中眠るビスクドールは光の中蘇る

 

・光のかけら真っ白な手が撫で死んだ 人はそれを天使と呼ぶ

 

・舞台上 僕は君のロボットさ 操られない瞳で言った

 

・夢の中胸ポケットの薔薇抜いて赤い花びら片手でむしる

 

・今ここで生きるわずかな人のため 彼らは歌う声を枯らして

 

・プラスチックのナイフで胸を貫いて喉が避けても叫べよにげるな

 

・いらっしゃい!久しぶりだね、調子どう?今日は何処まで一緒に行こう

 

・背もたれの波間に浮かぶ手のひらを掠めて刺さるスポットライト

 

 

 

 

 

 

 

みなさん、すてきな短歌をありがとうございました~!今回また各々に返歌をさせていただきました。「舞台」という単語自体がふんわりしてるので、いろんな「舞台」を短歌から感じ取れて楽しかったです。

 

 

 

さてさて、第九回お題発表の!時間ですよ!

個人的に第十回はそれとなく決めているお題があるので、そこへ向けてどうしようかな~ちょっと盛り上がっていくかんじのお題がいいな~と思っていたので、そろそろ満を持してこの人にご登場いただこうかと思います…!

 

というわけで、第九回のお題は「中島健人」でお願いいたします!

 

私がジャニーズで短歌を詠み始めたきっかけも彼でした!あらゆる人のポエジーを目覚めさせるラブホリ先輩についての短歌、ぜひぜひお待ちしております。すごい楽しみだなーーー!

 

そして会員の方へ少しお知らせなのですが、最近ちょいちょい更新が遅れ気味で、それに合わせて、みなさんにお伝えしている締切を少し後ろにずらそうかな…と思います。今までは更新後の月曜日23:59まで、というふうにお伝えしていたと思うのですが、今度から更新後の水曜日23:59まで、というふうに締切を変えさせていただきます。ので、どうかじっくり短歌を練られてください

♡一応締切を設けているのですが、更新ギリギリまではぜんぜん滑り込んで頂いてだいじょうぶなので、締切後も、もし送り忘れちゃぅた…という短歌がありましたら、ご一報いただけると幸いです。

 

 

 

 

 

今回も最後までご覧頂きまして、ありがとうございました!

第十回まであと少し!がんばります。次もお付き合いいただけますとうれしいです。