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こみねもすなるだいありー

全然何にも怖くない

短歌結社「明星」第六回歌会 お題:「担降り」

みなさんこんにちは!芦屋こみねです。

 

明星も軌道に乗ってきたかな?と思ってしまう第六回、やっと更新します。お決まりの日時からだいぶ遅れてしまって申し訳ないです……。今回も読んでくださってるあなたに感謝です。

 

さてさて今回のお題は「担降り」です。特有の文化みたいに語られてる「担降り」ですが、ちょっと試験的にこういう「アイドル特有の文化」について、みなさんに短歌を詠んでいただきたくて、お題に選びました。

「担降りとは何ぞや?」という方はこちらをごらんになっていただければ~!

『同電』『受け』『担降り』など ジャニーズJr.用語を解説 - エキサイトニュース

vol.2「担降り」特別企画-担降りアンケート- - 少年コレクション

 

 

今回ご参加くださったのは、以下のみなさんです~、順不同。

・榎田さん(

朱子さん(

・原さん(

・あすなさん(

・めたもちさん(

・ゆうごさん(

・なつめさん(

・ふゆおさん(

・くらげさん(

・3izukiさん(

・miimoさん(

・ななりさん(

・あやのさん(

・もぐもぐさん(

・さゆりさん(

・ミミミさん(

・小指さん(

・りこさん(@sarirahi_ 

 

 

 

 

 

 

・キラキラに光る星だと思ってた、今指の間を抜ける星屑

星の輝きはともすると虚無感を感じるものでもあって、この短歌はそれがよくあらわれていると思います。手にすることができなければ、輝きもただかなしいだけなのかもしれません。上の句と下の句で「星」が「星屑」と代わっているのも、なにか思惑を感じます。

 

 

・真っ白な服汚せない。気をつけていたのに自分で黒に染めたね

「真っ白な服汚せない」=「嫌いにならないように」一生懸命だった、ということでしょうか……。下の句の「自分で黒に染めた」がかなしいですね。一生懸命好きでいようとしたけれど、結局自分から黒に汚して、自分から嫌いになってしまった、ということなのかな。

 

 

・初恋をジップロックに保存して私はひとつ大人になった

担降りをした瞬間の気持ちが、元担当の姿をふと目にした瞬間にぶわーっと当時のままで蘇ってくる、というのは、「初恋をジップロックに保存」していたせいなのですかね~。淡い感じが素敵な短歌です。

 

 

・硝子窓のむこうの君への恋だからさよならを言う術も知らない

「姿は見えるけど声は届かない」のでしょうか。硝子窓。ちゃんとお別れをしたくてもできない、区切りもつけられないさよならは、一方的でただただ虚しいですね……。「担降り」は「さよならを言う」ことではないのですよね。「さよならを言わないまま、背中に手を振って、追うことをやめる」ということなのですよね。

 

 

・引き出しの青いスカート青いシャツ どうして急に着なくなったの

きっと青が元担当のイメージカラーだったのでしょうね~……。せつない……。これはわりと体験したことある人もいらっしゃるのでは、と思いました。色って人の記憶とか思い出に強く結びつくものだと思っているので、この状況はよく起こりうるよな、しかも辛いよな、と思います。

 

 

・この恋の終わりに彼は気づかない溶けたアイスを舌ですくった

たくさんいるファンのひとりがいなくなったことに、元担当の彼は気付くことはない、とわかっていながら、罪悪感や虚無感、喪失感を隠せないのだろうなぁ、と思います。「溶けたアイス」というアイテムの選び方がいいですね~、もとの形を失って、でも甘さは変わらない「溶けたアイス」は、「担降り」と近いものかも。

 

 

・幸せも不幸も全部くれたひと切り取る思い出踏み出す一歩

応援する幸せ、期待を裏切られた悲しみなどなど、一人の誰かを追い続けることで感じる感情の熱量って測りしれませんね。「切り取る」という動詞は、なんとなくアイドルオタクの人たちに親和性の高い動詞かもと思いました。雑誌の切り抜きとか。

 

 

・「引っ越して離れていたって手紙書く」俺とあいつはそんな関係

きっと手紙なんて二度と書かないんですよね。離れたらいつか相手のことを忘れるし、いつか顔も声もなかなか思い出せなくなってしまうのだけど、別れの瞬間は手紙を書くよ、と言ってみせるのです。別れのかなしみをやわらかくするために。担当を降りてしまえば、そんな関係になるのだろうなぁという、なんとなくすうすうする空虚さのある一首です。

 

 

・吸う息と吐く息のその狭間にも君の残り香するのよ「笑う?」

ふとした瞬間(この短歌では吸う息と吐く息の間ですが)に、降りたはずの彼のことを思い出す。その度にあーあ、とちょっと肩をすくめて、呆れた顔をしてみせるお姉さん……という情景が浮かびました。好きになった人が負け、というのはこういうことなんでしょうか。手放しても、なにかがなくなってしまった悲しさは手放せない。

 

 

・嫌いとか別にそういうわけじゃないただ漠然と「終わった」と思う

シンプルですっきりした短歌です。その分呆然としたような、ずっしり胸に落ちてくるような感覚があります。そうなんですよね、失望したとか嫌いになったとか、そういう理由で担降りをするわけでなく、「ああ終わったな」って思って、気持ちを手放すこともあるのですよね。不思議。

 

 

・さようならあなたのものだった私 こんにちは彼のものになる私

これもかなりシンプルですが、担降りとはなんぞやということを端的に詠んだ感じがしますね~。元担当の彼にふれず、自分にのみ焦点を合わせた「担降り短歌」で、新鮮。上の句の調子をもう少し整えたら、もっとすとーんとした印象の短歌になるかなと思います。

 

 

・忘れへん 君がくれたこの足で これからもずっと 駆けていくから

関西弁が印象的な短歌。たぶん担降りされた側の一首だと思うのですが、あまりそちら側の視点で詠まれた短歌がなかったので印象的でした。「足」をもらうという詠み方がいいなと思います。追い風でもなく、エンジンでもなく、足なのですね。

 

 

・いつかまた星降る夜に出逢えたら愛を届けてスワロウテイル

スワロウテイル」は、もしかしたらイメージとか語感で選ばれたのかもしれませんが、個人的には「燕尾服」をイメージしました。衣装とかでたまに着てますよね、主に舞台班の人。「星降る夜」「愛」「スワロウテイル(燕尾服)」とドラマチックな単語が揃っているので、なんとなく「舞台の上にいるあなた」「客席にいるわたし」という構図が浮かびました。

 

 

・「薄情なわたしを責めてくれないの?」うちわの笑顔は何も言わない

「心変わりは責められない」(by山下智久「青」)んですよ…!!「好き」を続けられなくなった自分を誰も責めてくれない、手が届かないから「どうして俺が一番じゃなくなったの」という怒りもない。自分が勝手に好きになって、勝手に好きじゃなくなっただけ、という……。担降りって苦しいね……。

 

 

・泣きながらあの日のボールを抱いて寝るあなたの夢が叶ったからだ

「ボール」はサインボールでしょうか。まだ彼が「夢を叶える」前にこちらへ向かって投げたボールは、「ぼくを好きになってください」の気持ちだったのかもしれません。「夢が叶う」ことで泣きながら眠る、というちぐはぐ感は、その他大勢→スターへの階段を登った担当を持っている、持っていた人なら、なんとなくわかるのでは。

 

 

・きれいだよ 夢をかなえたその姿ずっとがらすのケースの中に

「この瞬間」を一生のものにしたいから担降りする、という動機も、もしかしたらあるのかな……。ちょっと狂気っぽいところがよいです。「夢を叶える」というのが、担降り短歌のキーワードですね。ここまで来たならもう大丈夫、と、手を離す人が多いのかな。

 

 

・愛よりも早くつま先地面蹴り大好きな君へ会いに落下

「落下」なんですね…、ここで「走る」とかに行かないあたりが個性的でよいと思います。普段はギリギリのところでとどまっているのに、「好き」の気持ちだけでその淵を蹴って、自ら穴の底へと落ちていくとか、ロックです。愛はロック。

 

 

・一方的に「アイラブユー」を投げつけて「シーユーアゲイン」は置いていくね

愛を心ゆくまで投げつけて、「またね」はそっと置いていくんですね。去る時は静かに、ということなのかな。愛が一方的だと理解しているあたりがまた切ないです。「またね」でさえも、受け取ってもらえるかどうかもわからないのにね。

 

 

・視えるのは光の反射触れることもできない存在の幽けさ

「見える」でなく「視える」にしたことで、「本質を見る」「実体を見る」という意味合いが強まっていて、技ありな印象。結局一度も触れられる実体を見ることはできないままだった、という虚無でからっぽな感じ、それを持て余している感じがぽっかりあると思います。

 

 

・好きだった 今でも好きよ あなたより 私を必要とする花があるだけ

いい女ですね!!ファンは水であり、蝶であり、太陽なのかもしれないですね。まるで別れ話をしているような雰囲気が、「担当」制度のなんだか大仰な感じとマッチしてていい感じです。こんなの今時別れ話でも言わないセリフだけど、担降りのときには言っちゃえそう。

 

 

・君だけが世界で一つの恋だった 昨日の夜まで嘘じゃなかった

なにか電撃的に、担降りをすることを決意させるなにかが起こったというシチュエーション。新しい星に出逢ってしまったのか、もしくは担当から気持ちが離れる出来事が起こってしまったのか、いろいろと空想が広がります。「世界で一つ」でなくなるという表現が詩的でロマンチックです。

 

 

・端に載る 雑誌ばかりを 探してた あの少年はもういないんだ

「少年」が端にとどまる存在ではなくなったということなのでしょうね~、進んでいく彼のことが嬉しくもある反面……という瞬間かな。端に載っていた少年は、成長して違う誰かになってしまったのですね、この短歌の主眼にとって。

 

 

・糊のあとなぞれば君の名ざらついて想いに新しい紙で蓋

これ、何がモチーフなのかな……と個人的にすごく考えたのですが、もしかしてうちわかな……?台紙から元担当の名前を剥がして、新しい誰かの名前を貼り付けてるところなのかな~というところに行き着きました。こんだけ言って違ってたら恥ずかしいのですが…。触覚に訴える一首だなと思います。

 

 

・君が振る あいつの名前 目で流し 見せつけるよう ステップを踏む

これもしかして「担降りさせようとしてる」人を詠んだ短歌ですかね…!?なんて短歌を詠んだんだまず視点の時点でいろいろ勝利してますよ…。「名前を振る」はうちわで、ライバルの名前が書いてあるうちわを見つけて、そのうちわを持つファンに向かってアピールしてるってことですかね。

 

 

・完璧な笑顔と逆に指先は震えてたから、騙されよう、って

これすごいいいなと思います。これも「担降りを決めた瞬間」の短歌かなと思ってよみました。担降りって、ある意味の諦めかもしれませんね。「この人になら降りても、騙されてもいいな」っていう。騙されてることがわかっててそこへ降りるっていう感覚がいいです。

 

 

・本当に好きだったのは彼のことではなく彼を好きでいた僕

誰かのことを好きでいることが自己愛につながることってありますよね。ジャニーズにおける「担当」も、そんな気持ちにある意味支えられているのかなと思います。それに気づいた瞬間が「担降り」を決意した瞬間だという方もきっといらっしゃるはず。

 

 

・声援を飲み込みやっといまやっとあなたがみえた確かにみえた

せつない……。これも「担降りを決意する瞬間」ですよね。今まで不確定だった担当の姿が、くっきりとクリアに見えた瞬間。ああこの人はもう大丈夫、と思う瞬間。思わず息を飲んで、今まで絶えず送り続けていた声援をしまってしまう瞬間。本当に彼を「見て」しまったら、「好き」の夢が覚めてしまう瞬間。

 

 

・すれ違い様に貴方が被せたの思い出帽子を乗換駅で

個人的に好きな一首でした。コンサートからの帰り道、乗り換えの駅で、よく似た人を見かける。その人とすれ違った瞬間、なにかをもらったような、慰められたような気がした、というような一連の空想をしました。目を隠すように帽子を被せられる=泣き顔を隠してくれる、ということなのかな…と深読みも。とにかくなんだかやさしいノスタルジーに溢れているようで、もう会えない、という強烈な切なさもある一首だな~と思います。

 

 

コカ・コーラたまに飲むのもいいじゃない?瞳が揺れる深夜のファミレス

これ、実はあんまりうまく読み解けませんでした……。申し訳ない……。「たまに飲む」=「浮気心」みたいな結びつけなのかな?それとも別の思惑があるのかな。「深夜のファミレス」はなんとなくジャニヲタ感のあるワードだな~と思います。遠征先に深夜~早朝着いて時間を潰すとか…。

 

 

・君のこと忘れられたら何度でも見つけてみせる優しい光

「生まれ変わったらまた出会おうね」っていうのとなんだか似てますね。忘れることができたら何度でも好きになれるけど、忘れることができないから、もう違う人を好きになるしかないっていう……。「優しい光」がうまく結びにあって、全体がふわっとした雰囲気に仕上がっていると思います。

 

 

・君の手を離して星に飛び込むの あの子の未来に夢を見たくて

「星に飛び込む」というところ、あんまり見慣れない言い回しでいいなと思います。星=瞳を想起しました。星に見まごう瞳の輝きに魅入られて、その輝きに未来と夢を見て、握っていたはずの手をほどいてしまうんですね。

 

 

キャンディーズ 君へマイクをはなむけに ごとりと置いた 振り切って恋

「普通の女の子に戻りたい」ですね。これ、担降りするファン側が「キャンディーズ」という構図になってるんですね~。凝ってるというか、ストーリーがあるなぁ。特別な誰かを好きでいることで、「普通の女の子」じゃない気持ちを味わったけど、もう止めるね…ってことなのかな。はなむけにマイクを置くっていうところも、元担当のこれからの将来への贈り物のような雰囲気があって、全体的にまとまって素敵な短歌だなと思います。

 

 

・またゼロから愛でてけなして「変わったね」叱ってビーナス、あなたも共犯

「担降り」の要素が詰まりに詰まった短歌です。ちょっと詰め込みすぎな気もしますが。「変わったね」は、元担当へ投げかける言葉でしょうか、それとも元担当「から」投げかけられる言葉でしょうか…。心変わりを「あなたも共犯だ」と言わざるを得ない苦しさみたいなものを感じます。

 

 

・桃色のジェリービーンズ食べ飽きて次は黄色よ悪びれもせず

これかなりダイレクトに刺さってくる短歌ですね……。「悪びれもせず」はなんか意図的に刃物で刺される感じがする。あなたたち残酷なことしてるのよって突きつけられる感じ。「ジェリービーンズ」のせいで、全体に子供っぽい、無邪気な残酷さがじんわり出てます。

 

 

 

 

コメントをお付けしなかった分の短歌は以下です~どうぞ。

 

・カレンダー胸がざわめく今日の日はいつか祝った記念日だった

・心から「おめでとう」言える幸せを前は知らずに好きでいました

・あと少し気付かないままでいたかった いつから「好き」が義務になってた?

・もう少し知らないふりで愛されて しまうにはまだ鮮やかすぎる

・思い出で埋めたパズルは額縁に入れて記憶の箱へ封印

ハナミズキ きみが最後の恋だった キミに出会って嘘つきになる

・過去形にしたくないから殺してよ息をするように愛した君

・しばらくは上書き保存できそうにないから新規フォルダの準備

・新しいコートを羽織り街を歩く身体に慣れぬ固さが愛しい

・君が笑う、空が砕ける音がした 一目惚れって言ったら笑う?

・引力に負けて飛び込む大気圏 命燃やして走れよ乙女

・伝説と炭酸が好き ごめんねとパチパチ揺れる飴を噛み、次

・愛という名の執着で縛りたくないから、さらば、最愛のひと

 

 

 

みなさんからお寄せいただいた短歌は以上となります!

今回もたくさんの短歌ありがとうございました。精神的にフルボッコにされました。

せつない…。

 

 

今回個人的にこれだ!と思った短歌は

・声援を飲み込みやっといまやっとあなたがみえた確かにみえた

・すれ違い様に貴方が被せたの思い出帽子を乗換駅で

・完璧な笑顔と逆に指先は震えてたから、騙されよう、って

 

返歌をさせていただくとすると、

・永遠に私のおばけでいるんだとなぜか目隠しして思ってた

・私だけに見える何かをくれたからもう会わないし会えないんだね

・負けたから過去も気持ちも好きっていう気持ちも時間もなんでもあげる

お粗末様でした!

 

 

 

 

 

さてさて第六回歌会、いかがだったでしょうか。

短歌ひとつひとつが重たくて、コメントを書きながらうう…とかああ…とかうなりながらの作業となってしまいました。情念ってやっぱり重たいね。

 

 

さておき、第七回歌会のお題なのですが……。

ちょっと勢いがあって、多少短歌を詠むのが難しそうな人がいいな~と考えた結果、ちょくちょく話題にもさせていただいている彼をお題にしよう!と思い立ちました。

 

というわけで、第七回歌会のお題は「阿部顕嵐」さんで!お願いします!

 

結構どうなるかな~って感じのお題だと思うので、個人的にものすごく短歌が楽しみです。この間個人的に短歌をいくつかアップさせていただいているので、みなさんの短歌も見てみたいな~と思った所存です。力作お待ちしております。

 

 

 

ではでは、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました♡

第七回歌会でお会いしましょう!