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こみねもすなるだいありー

全然何にも怖くない

短歌結社「明星」第三回歌会 お題:「乃木坂46」

アイドル 女性アイドル 短歌 短歌結社「明星」

こんにちは!芦屋こみねです~。

 

今回は短歌結社「明星」、第三回歌会の模様をお伝えしたいと思います。

 

今回のテーマは「乃木坂46」。

くわしいグループの来歴、メンバー等はこちらをどうぞ。

乃木坂46 - Wikipedia


乃木坂46公式サイト

 

今勢いを増している清純派アイドルたちを詠んだ、美しくもせつない短歌をたくさんお寄せいただきました!

 

今回歌会に参加してくださった会員の方はこちら。

・marigoさん(

・3izukiさん(

・なつめさん(

・さゆりさん(

・もぐもぐさん(

・ななりさん(

・もち太さん(

・榎田さん(

・miimoさん(

・小指さん(

・原さん(

・りこさん(@sarirahi_ 

・あすなさん(

順不同です。

 

 

 

 

 

 

乃木坂46のトレードマークでもある「制服」をテーマに詠んだ短歌が多く寄せられました。

 

純白のセーラー襟に包まれて恋も知らぬとお思いですか?

知らぬとお思いですか?ということは、知っているということですよね。レフ板のように光を反射させるセーラー襟で、色白な顔が光っていて、目だけが妙に女らしくこちらを見ている……というところまで想像しました。純粋というレンズを通して見られている少女の、挑発的な表情って素敵ですね。

 

セーラーの襟の裏側  君の指先がくすぐる秘密の刺繍

セーラー服を詠みこんだ短歌の中でも、特にドキッとする一首。襟の裏側、というのは、セーラー服の襟をめくった、普段は見えない背中のあたりだと思っています。そこに入っている刺繍は普段見えないけれども、抱き合って腕を回して襟の下へ手をやると、触れることができる……という妄想。

 

踏み出した白い大きな襟正しまだ先駆者がいる海原に

セーラー服を詠んだ短歌は多かったですが、この短歌は海とセーラー服という元来のペアを結びつけることで、さわやかでくっきりとした印象の一首になっています。「先駆者」は、先に世にあらわれたアイドルたちでしょうか。先駆者たちがひしめき合う海原に、セーラー服を翻して出発する少女たちのイメージがきらめきます。

 

飲み込んだため息の数だけ結ぶリボンの赤は運命の色

彩色をおさえた制服の中で、胸元のリボンだけが真っ赤に燃え上っている、という光景を思い浮かべました。かたちが崩れれば頻繁に結びなおすリボンですが、その数だけためいきをついているとして、憂鬱で少し重苦しい少女の本心を垣間見られます。「運命」という言葉も、ドロッと感を増幅させていていい感じ。

 

 

 

乃木坂46の持つ「秘め事」のイメージを凝縮した短歌も。

 

ほんとうのことなんてひとつもいらない、内緒話はお手の物でしょ

「内緒話」乃木坂46を表すイメージとして強いんだな~と思います。声をひそめて会話している女の子たち、でもその内緒話が嘘でもいい、本当なんていらない、という少々影のあるイメージが素敵です。

 

やわらかなカーテンスカートひるがえし秘密の中で咲いた乙女よ

この短歌からは「つぼみ」のイメージを強く感じました。秘密の中で咲く、という表現がされていますが、カーテンもスカートも、「秘密」という名の花弁で、それが幾重にも折り重なったつぼみがほころぶことで、乙女が咲くという。ボタンや芍薬のような、ふんわりした美しい花が目に浮かびます。

 

女の子だけの秘密の特権ね内緒話にくるまるカーテン

ぐるぐるカーテン」のイメージでしょうか。歌詞の世界観をそのまま短歌に凝縮したような一首です。内緒話「に」くるまるカーテン、という、すこしねじれたようなことばづかいが特徴。女性的な語尾をさりげなく詠みこむことで、女の子同士が額を寄せ合っておしゃべりしている一瞬を思い浮かべられます。

 

 

 

清純、純潔なみんなのアイドルというイメージから詠まれた短歌はこちら。

 

オレンジを貪るように食べ切って今日も理想のアイドルに成るの

オレンジの花言葉は「純潔」だそうで、果汁をしたたらせながらオレンジを貪るすがたと「純潔」の言葉の対比がビビットで印象に残ります。白い顎からぽたぽた垂れるオレンジのイメージがみだらというか、本能的で美しい。そんなイメージつややかなが浮かぶ上の句のあとに、「理想のアイドルに成る」という妙にざっくりとした下の句を合わせている差引がちょうどよいなと感じました。

 

大人からもらった百合を放り投げ走って君に会いに行くんだ

先ほどの「オレンジ」の短歌と同じ詠み手の短歌。百合の花言葉も「純潔」だそうです。「大人からもらった百合」は、「大人からもらった純潔」でしょうか。純なイメージを売りにするアイドルが、それを捨てて走って誰かに会いに行く、と想像すると、それだけでちょっとぞくぞく。

 

国民のアクセサリーになりたくて削るの宝石青春カラット

「国民のアクセサリー」というところは、乃木坂46ならではの表現のされ方かなと思います。48系列やハロプロでは、あまりしっくりこない表現だと。少しひかえめで、どこにでも付けていけるアクセサリーになるために、貴重な青春の時間を削って磨く少女たちを印象的に表しています。

 

 

 

 

他の短歌も、うっとりするような短歌ばかりです。

 

気付いてよ愛してるけど孤独なの見えない君とハグしてるみたい

「孤独」という単語を見ると「世界で一番孤独なLover」を想起させますね。愛すことと孤独は同じ場所にいられないと信じている少女の姿が切ないです。愛しているからこそ孤独なこともあるのにね。誰かを抱こうとして、すり抜けた腕で自分を慰めるように抱くところを思い浮かべました。

 

かき氷溶けちゃったけど怒らないぼくの仕事はきみを待つこと

ほのぼのとした、優しい短歌です。ハッキリと男性視点だとわかる短歌はこれくらいかも。夏祭りの境内、石段に腰掛けて彼女がどこかから戻ってくるのを待つ青年の姿が想起されます。彼女はちょっとおてんばで、彼氏を振り回すけれども、彼氏はそれを待つ。まっすぐでひたむきな下の句が好きです。

 

お嬢様、駆け出す術をご存知ない?その脚はマネキンとお思い?

これはきっと「お嬢様」を見守る「誰か」の視点から詠まれた短歌なのだろうな、とかんじているのですが、どうでしょう……。立ち尽くす少女の背中を押すために、すこしひねくれたような言葉で茶化すように語り掛ける「誰か」の姿が想起されます。「マネキン」は「制服のマネキン」からかな。

 

マークシート 塗りつぶすようにして綺麗 じゃなくて生の瞳を見せてよ

マークシートを鉛筆で塗りつぶしたときの、妙に黒々とした色を瞳に例えると、無機質な感じが出ていいですね。キラキラした美しい瞳じゃなくて、鉱石で塗りつぶした、生命感の薄い「生の瞳」は、おそらく前者より人の心に刺さることもあるでしょう。

 

君を愛してもいいけど君に恋してはいけない会えなくなるから

「愛」と「恋」の差を切なく描いた一首。個人的に印象的ですごくいいなと思います。「愛」より「恋」の方が罪深い、という関係が見て取れるのですが、それが「愛は何かを求めない、恋はその人の全てを求める」というよくあることばと重なります。会えなくなったらおしまいの関係なのですね。ファンとアイドルの関係とも取れますし、違うようにもとれます。受け手の想像を掻き立てる短歌になっています。

 

恋なんてセンター街に捨てて来た一緒に捨てる膝上の服

センター街(膝上の服を来て闊歩するにふさわしい場所)に膝上の服を捨てる、というアンバランスな感じが面白いです。乃木坂46のトレードマークとなっているクラシカルで上品な衣装に身を包むことを決心し、自分の恋やふさわしくない装いを、センター街というそれらのひしめく場所へ捨てるという一途さが痛々しくも美しい。装いから気持ちが生まれる、影響されやすい少女らしい一首になっていると感じます。

 

人差し指、中指の間から光るきみの瞳よ闇夜を駆けろ

制服のマネキン」サビの振付でしょうか。ピカッと音のしそうな視線をドラマチックに切り取った一首だと思います。「視線」などではなく「瞳」としたことで、「きみ」自身が意思を持って闇をすり抜けていく様子が想像できます。「制服のマネキン」PVを少し彷彿とさせました。薄暗い体育館をするする駆け抜けていく白いライト。

 

その頬に爪を立てたらしゅうしゅうと空気がもれても驚くかなわたし

空気人形のイメージ。愛しくてうっかり爪を立ててしまうと、いなくなってしまう誰か。それが友達なのか恋人なのかは読み取れませんが、「驚くかなわたし」という字余りになった、すこしのろのろっとした語感と、他人事のような口調がいいですね。ふんわりして少し奇妙なイメージが、乃木坂46のそれとぴったりだと思います。

 

万華鏡みたいな君の名口ずさむ花散らしてよ見えるところで

「万華鏡みたいな」という形容が個性的でいいですね。花を散らすことも、万華鏡のイメージと通じるところがあってキレイ。個人的には「花散らしてよ見えるところで」という下の句の鮮烈さが好きです。散るのではなく散らす、そしてそっと、隠れたところでではなく見えるところで散らす、というところに残酷な美しさを感じます。

 

ねぇ、わたし気づいてしまったあの子とはスタートラインの位置が違うの

少女の呆然とした、ぼんやりとした絶望のようなものが詠みこまれています。「ねぇ」という呼びかけが、絞り出すような何かを表現していると感じました。努力ではどうにもならない何かがあると気づいたときの、追いかけていた遠い背中がさらに遠のく感覚が悲しい。「それでも」と遠い背中を追いかけ続ける意地やひたむきさが奥に垣間見えます。

 

外苑前-六本木までが制空権見てね私を見つけてね

東京の地理に明るくなくて、必死に調べた結果なのですが、外苑前~六本木あたりを一般的に「乃木坂」というのでしょうか…。「制空権」という単語がいいですね。確固たる本拠地(専用劇場)を持たない乃木坂46にとっては、自分たちに冠された「乃木坂」という地域全体をぼんやりとした本拠地であるとしている印象があり、48系列のアイドルが「点」(専用劇場)を基地としている反面、乃木坂46は「面」(乃木坂という地区を空から見下ろして現れる面)を「制空権」としている感覚があります。そんな感覚をうまく表した一首かな。

 

この夜の意味を束ねてポニーテール光の海で恋ははじまる

髪の毛と夜の「黒」を重ねたところがすごく好きです。色の印象は暗いのですが、そこに反射する光が下の句に詠みこまれているために、全体的に明るい印象の短歌になっていると思います。「光の海」は、サイリウムがきらきらするコンサート会場のことかな。

 

好きな人いるのと聞いたら逃げていく白靴下に透けるペディキュア

 透けて見えるペディキュア、という、隠しているけれど隠しきれない顔、みたいな艶っぽいイメージがしっかり出ています。素足になれば見える美しく彩られた爪が、薄い布一枚隔てて隠されているという。好きな人の有無を聞いて逃げるという行動にも、言いたいけれど言えない、みたいな、白靴下~の下の句に連動した気持ちを感じます。

 

3,2,1 ひとさじの愛でマネキンは少女になれるの Shall we dance?

これも「制服のマネキン」のイメージから詠まれた短歌かなと思います。英語の一節を挿入した面白い短歌。いかにリズムを重要に詠まれているかわかります。少しノーブルでロイヤルな乃木坂46のイメージが、手を取られ小さくお辞儀をして踊り始める姿と重なります。

 

 

 

そのほか、たくさん短歌をお寄せいただいた方の、コメントをしなかったものをご紹介します。

 

膝丈のスカートつま先ハイソックス、この目まで同じと思った?バカだね

 

マネキン?人形?知らないよ まつ毛の先は 前を見てるの

 

切り落とせ ショートヘアーのその毛先 私の弱さも切り落としちゃえ

 

16の席に着くため馳せるのよ 彼の嫉妬やその子の切なさ

 

ローファーの黒光りそのまま照らしてよ 脱いで歩いた道の先まで

 

頼むから枯れないでいてよかきつばた 私もそれまで絶対泣かない

 

あざといよ?釣り竿手応え病み付きだし カラフルなルアー、とっておきなの

 

当たり前でしょ 努力してんの誰よりも 口元のほくろは全部知ってる

 

星の砂大事にとっているあの娘 小瓶の縁に光弾けた

 

コンタクトにしたんだね何のため?あの人の目に入るためよ

 

スカートふわり翻す 日溜まりで風に揺れるカーテンに似る

 

失うの 得ているようでその実は 撮られるぶんだけ普通の私

 

君のせい 半袖焼けが辛いのは 責任取って私に笑って

 

座る時直しちゃうのは制服のひだと髪留め白い靴下

 

眠る君の瞼に透ける血の色に永遠など無いことを知る

 

横顔の君が零した涙は真珠 プールの底に溶けて消えた

 

蝶の羽を脱ぎ捨て飛び込むプール 制服の白と心中する

 

 

 

 

 

 

 

みなさんからいただいた短歌は以上となります!たくさんの作品をありがとうございました~。

 

今回個人的にこれだ!と思った短歌は

気付いてよ愛してるけど孤独なの見えない君とハグしてるみたい

好きな人いるのと聞いたら逃げていく白靴下に透けるペディキュア

踏み出した白い大きな襟正しまだ先駆者がいる海原に

こちらの三首でしょうか。

 

返歌をさせていただくと

もうひとり分の空白だけがある わたしのためにわたしはさみしい

知らなかったあなたばかりが増えていく夏に何かを脱ぎ捨ててくれ

出航の汽笛は一度しか鳴らない そこまで会いに行くから待ってて

こんな感じ。お粗末様です。

 

 

 

 

 

さてさて、第三回歌会、いかがだったでしょうか!

乃木坂46」は明星初の女性アイドルのお題だったのですが、やっぱり衣装絡みの短歌が多いのが特徴的だな~と思いました。女性アイドルの方が、「装う」ことに対して表出するものが多いのかなと常々思っているのです。

コメントさせていただく短歌の数をしぼらせていただいたのですが、どの短歌もすばらしさに変わりはありません。是非お気に入りの一首を見つけていただければと思います。

 

 

それでは、第四回歌会のお題なのですが……。

大きな団体に関してのお題が二つ続きましたので、今度は初心にかえって、ひとりの人をお題にさせていただきたいと思います。

 

第一回のお題だった勝利くんとパブリックイメージがそれほどかぶらず、かつお題として詠みやすい方……うーん……と思案した結果……。

明星歌会第四回のお題は、「平野紫耀」さんでいかがでしょうか……!

 

私の好みも含めて(笑)、今回はこの方をお題にしたいと思います。

 

関西の注目株、天然さと狂気の紙一重さ、天才的なセンスで大注目の彼についての短歌を、短歌で表現いただければと思います。

なお、第三回から、おひとり2首までをコメントの対象とさせていただいております…!たくさんお送りいただいた方は、今回のようにブログの最後の方に残りの短歌を載せさせていただくかたちをとりますので、ご了承いただければと思います。

 

 

 

興味のあるお題のときだけ参加してもいい?と会員の方におたずねされることもあるのですが、ご自身のご興味のある回のみのご参加でも構いません~、のんびり短歌を楽しんでいければいいな、と思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

それでは今回はこのあたりで失礼いたします。ここまでお読みいただきまして、本当にありがとうございました~♡